82 名前:とてもトテモ 投稿日:03/11/21 07:32 ID:???
あなたの嫌いなもの。

『担任の先生』

本当はとてもいい先生。だけどアクが強いから、近くのあなたはとても嫌うの。近くにいるのに本当の良さを知らないから、あなたはとても嫌うんだね。

あなたが好きなもの。

『星』

夜空高くに輝いている星を見るのが好きなんだよね。決して届くことのない光年先の輝きに、それでも強く憧れて精一杯に両手を伸ばすの。足下の花には気づかずに

83 名前:とてもトテモ 投稿日:03/11/21 07:33 ID:???
私の嫌いなもの。

『陰口』

誰も聞かないところでつぶやいて、それで何かが変わるなんて、そんなことはありえない。
暗いつぶやきは闇を呼んで、私自身を包んでしまうの。どんどん闇が染み込んで、私自身も闇になるの。

私の好きなもの。

『あなた』

とても好きなの。世界中の誰よりも。友達より、親より、自分より。とてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとても。いくら言っても足りないの。私はあなたがとても好き。

あなたの名前。

『かおりん』

私の名前。

『千尋』

84 名前:とてもトテモ 投稿日:03/11/21 07:35 ID:???
小さい頃からずっと一緒。小さい頃からずっと好き。
ずっと側であなたを見てた。でもあなたは星がすき。
私は星じゃなかったから、あなたは私を見てくれない。
あの人は本当に星だったから、あなたはずっと見つめてた。
それでも私はあなたを見てた。あなたの足下からあなたを見てた。

あなたの側にいるために、私は本当に何でもできた。
かおりんのためになるのなら、私は心底何でもやれた。

陰口は嫌い。悪口は嫌い。裏に隠れて何を言っても、何も変わらないし、変えられない。
ただ闇が満ちるだけ。暗く黒く澱んでいくだけ。
だけどあなたの側にいたかったから、私は笑顔で付き合ったの。
濁った気持ちを心の中に溜め続けて。とてもとても溜め続けて。

体育祭の二人三脚。私は足の怪我のこと、そんなに大したことないって言った。
かおりんのためになるのなら、本当に大したことなかったの。
足首の骨が折れてても、全然平気な顔できたもの。
だけど、やっぱり星が好きなあなたは、その人を選んでしまうんだ。私じゃダメなんだね。嫌なんだね。あんなふうに拒まれて、足より胸が痛かったよ。とてもとても痛かったよ。

あなたの一番側にいるのは私なのに、あなたは私を見てくれない。
あなたが見るのは遙かな遠く。だから一番近くの私自身は、あなたの距離から一番遠い。

85 名前:とてもトテモ 投稿日:03/11/21 07:37 ID:???
それでも高校を卒業し、ようやく星は去っていく。とても私は嬉しかった。

かおりん、大学落ちちゃったね。みんなともうお別れだね。
大丈夫、私も大学落ちたから。予備校一緒に通おうね。
本当は受かってたんだけど、あなたと一緒にいたかったから。

それなのに。
せっかく離れてくれたのに。
あの人が行った大学を目指すんだなんて張り切って。
私はまたあなたの側で、一番遠くにいなきゃいけないのかな。

あなたの幸せは私の幸せ。
それで良かった。これまでずっとそれで良かった。
だからとても尽くしてきた。とてもとても尽くしてきたの。

だけど。だから。

もうそろそろいいはずだよね。
私の幸せがあなたの幸せになったって。



ねえ、かおりん。今日は私の家で勉強会だね。
ねえ、かおりん。今日は誰も帰ってこないの。
ねえ、かおりん。私、トテモ、楽 し み