559 名前: 投稿日:02/09/11 23:00 ID:???
こんなんでよければどうぞ。

「神楽チョコ」
いつもの夕暮れ。いつもの放課後。そんな中唯一人、神楽の様子だけが違っていた。
「榊ー」
「?」
振り返る榊さん。
「あのさー、チョコってどうやって作るの?」
「チョコ?」
「ほら、バレンタインデーがそろそろ近いじゃん。それでさ、あいつにチョコ
 ぐらい渡そっかなーて思ってさ。」
「・・・」
「や、やっぱ私がチョコを作るなんて柄でもないよな。ヤメヤメ!榊サンキュー」
「そんなこと、ないと思う。きっと喜ぶよ・・・」
「榊もやっぱそう思うよな!」
「でも、チョコの作り方がわからない・・・」
明らかにがっかりする神楽。そんな神楽を見て、
榊さんはある人物を思い出した。
「ちよちゃんに聞こう」
「でもちよちゃんならもう帰ったぜ?」
「・・・明日、聞こう」
一緒に歩いて帰る間、榊さんは神楽がいつものように「あいつ」について楽しそう
に話をするのを聞いていた。
(ちょっと、羨ましいな・・・)
「ん?榊何か言ったか?」
慌てて首を横に振る榊さん。春はもう近くに来ていた。

651 名前: 投稿日:02/09/12 00:08 ID:???
ほい。前回は >>559 です。

「金曜日の約束」
学校の朝。そんなやる気の出ない時も彼女達はあいかわらずだった。
「あ、神楽さんおはよーです。」
「ちよちゃんおはよー。(!)ちよちゃんってさ、チョコを作ったことあるか?」
「ありますよー」
「よかったー!じゃあ明日榊と一緒にちよちゃんの家にチョコを作りに行っていいか?」
「え、別にかまいませんけど・・・」
「なんだなんだ神楽さんはチョコを作るんですかー?誰にあげるのかなー?」
そう言って彼女達の所にぴょこっと顔を出したのはともだった。
「うわ!急に出てくるな。びっくりするだろ!」
「ちっちっち!私はびっくりしないからいいんだ!」
「おまえなぁ・・・」
「それよりもちよちゃん、私も明日一緒に作りに来ていいか?」
「いいですよー」
「な!なんでおまえが来るんだよ!」
「楽しそうだから。明日はよみも連れてくるね。」
そう言うと、よみに知らせにでも行くのだろう。ともは爽快に走っていった。
「あいつも来るのかよー」
「いいじゃないですかー。それに皆でにぎやかに作る方が楽しいですよー」
「まーちよちゃんがそー言うならいいんだけどさー・・・お、榊だ。榊ーおはよー」
「おはよう」
「榊さんおはよーです。」
「榊、明日ちよちゃんの家に集合だからな!・・・っとにゃもに用事があったんだ。
 2人とも先行っといてー」
手を振る神楽。そんな神楽を見届けた後、2人はゆっくりと歩き始めた・・・

662 名前: 投稿日:02/09/12 00:35 ID:???
次でラスト 前回>>651  前々回>>559

「チョコ作り」
土曜日、神楽、榊さん、よみとちよ、それに何故か大阪もいた。
「大阪はなんでいるんだ?」
「神楽ちゃんそれはもちろんチョコを作るためやー」
「そ、そうか」
「皆さんどうぞ入ってくださーい」
皆がちよちゃんに案内されたキッチンは、ゆうにワンルームはある巨大な所だった。
「・・・すごい」
「ここでなら、皆で作れそうだな。ちよちゃんさすがだ。」
よみと榊の感嘆の声を聞きながら、ともは神楽に近づいていった。
「へへーすごいだろ神楽。」
「だから何でお前が自慢気なんだとも?」
「なーちよちゃん、チョコって何で黒いんや?墨でも入れてるんか?」
「違いますよ大阪さん。チョコが黒いのはですねー・・・」
作り始める皆。そうした中1人よみはまだ作ろうとしていなかった。
「おーいよみ、何で作らないんだ。またダイエットか?やったって無理だって」
「う、うるさいぞとも。チョコは糖分が高いから食べたくないんだ」
「なら、よみは糖分控えめで作ればいいじゃん!ほら、材料」
「勝手に持ってくるな!・・・まあ、ともがそんなに進めるんなら作るか。」
「榊、どっちがおいしいチョコを作れるか勝負しよーぜ!」
「・・・」
うなずく榊さん。その日、ちよちゃんの家は甘い香りがいつまでも続いた。

671 名前: 投稿日:02/09/12 00:56 ID:???
「神楽のバレンタインデー」
1話>>559 2話>>651 3話>>662 そして・・・

「エピローグ」
神楽は「    」に手紙を渡した。
「今日の放課後、教室に来て欲しい」
・・・
こんなに時間って遅いもんだったか?何だかいつもより遅く感じるな。
放課後が待ち遠しい!あいつ驚くだろうなぁ。
第一バレンタインデーなんか忘れてそーだし!
それにしても付き合ってからもう半年かー。
体育祭が終わったあとだったっかな?
あいつが告白してきたのは。すっげー嬉しかったな。
まだ、本人には恥ずかしくて言えないけどさ。
・・・
「どーした神楽?」
「ん?ああ、ちょっと考えごとしてたんだ。
 あのさ、今日が何の日か、わかる?」
「?いやなんかあったっけ。」
「そーいうと思った。目をつぶっててー前にだして。」
不思議に思いながらも「    」は言うとおりにした。
神楽はそっとチョコを置き「    」が目を開けるのをじっと待った・・・