879 名前:メロン名無しさん 投稿日:02/09/16 02:18 ID:Slymshbh

ある土曜日の昼下がり。本格的な秋の気配すら感じられる、心地よい風を受けながら・・・

「もう秋かぁ、夏休みもあっという間に終わったよな」
「オレなんか予備校の集中講座でろくに遊べなかったし・・・夏休み!帰って来いー!!」
「あっそうか、大学受験があったんだよな(汗)」
「おいおい・・・でも神楽はスポーツが得意なんだから、体育大学を目指しているんだろ?」
「一応はそのつもりだけど・・・アンタと違って、勉強が苦手だからな、アタシは」
「勉強もスポーツと一緒だよ、やれば出来るって」
「そっ、そんなものなのか・・・?」
「人によって得手不得手はあると思うけど、オレは神楽の頑張りを信じているし」
「えっ!?」
「オレはスポーツが大の苦手だけど、水泳だけは何とかモノにしたからな」
「そういえば・・・確かに泳ぐのは上手いよな」
「まあそれは置いといて・・・取りあえず、神楽が行きたいと思っている大学の過去問を
解いてみたらいいと思うけど」
「でもさ、あのボンクラーズの一員でもあるアタシに、果たして解けるだろうか・・・」
「何いってるんだよ、やってみないと分からないだろ」
「そうだよな・・・ダメでもともとなんだし、ぶつかってみないとな・・・」
「あれだけスポーツに打ち込んでいるんだろ?体力も集中力もある神楽なら、きっと
行きたい大学に合格するって」
「あっ・・・ありがとう!アタシ今日から頑張ってみるよぅ〜」


880 名前:メロン名無しさん 投稿日:02/09/16 02:20 ID:Slymshbh
>>879
「(ぎゅっと手を握って)なあ神楽・・・」
「(ぼそぼそと小声で)な、なんだよ」
「まわりに誰もいないし、その・・・キスしても、いいか?」
「えっ!?でっでも、ここ、学校の中だよぉ」
「ちょっとだけ、キスだけだから、お願い・・・なっ」
「(辺りを見回して)じゃ、じゃあ・・・いいよっ」

んっ、ちゅっ・・・

「かっ、神楽ぁ・・・」
「ん、うん・・・はあっ、はぁ・・・」
「好きだっ、神楽・・・これからも、ずーっとな!」
「あっアタシも、アンタのことっ、好き・・・だよぉ」

・・・お互いに想いを確かめた、土曜日の昼下がり。二人はとりとめもない話を続けていたよ。
35 名前:前スレ880 投稿日:02/09/17 01:42 ID:???

少し肌寒く感じる秋の夕暮れ時、下校途中の神楽と彼氏は・・・

「急に涼しくなったから、体調が・・・」
「だっ、大丈夫かっ?」
「神楽こそ、泳いだ後はちゃんと髪乾かせよ(神楽のショート・ヘアーをなでる)」
「うん」
「・・・そういえば、つるべ落とし、だったかな」
「何だ、それは?」
「今ぐらいの季節って、夕方になると太陽が直ぐ沈むだろ。そういうことだよ」
「よく分かんないけど・・・お笑い芸人がカカト落としでも食らうのか?」
「いや、そ、そういう意味じゃ・・・」
「じゃあ何だ、美味しいものなのか?」
「・・・ボンクラーズか、言い得て妙だな(わざと遠くに視線を移す)」
「ちょっ、ちょっと待て!冗談だってばぁ〜!!」

37 名前:前スレ880 投稿日:02/09/17 01:44 ID:???
>>35

「美浜さんに聞いたよ、夜もランニングしているんだって?」
「えっ!?・・・そ、そうだけど」
「頑張っているんだな」
「受験勉強は全然だけどさ、それでも少しは解けるようになったんだぜ!」
「おっ!神楽はボンクラーズ脱退なのか〜」
「アンタのおかげだよ。赤点にならないくらいには、なっ!!」
「期待したオレがバカだった・・・」
「はいはい、どうせアタシはボンクラですよー」
「自分で認めんなよ・・・はぁ、何だか熱っぽくなってきた、体がだるい・・・」
「おい、本当に大丈夫なのか?(彼氏のおでこに手を当てる)」
「うわあっ!」
「確かに熱ありそうだな。そうだ、アタシの家で少し休まないか」
「えっ、でも・・・大丈夫だよ。ちゃんと家に帰れると思うし」
「無理しちゃダメだ。何ならおかゆでも作って食べさせてあげるぜ」
「じゃあ・・・神楽ん家に、お邪魔しようかな」
「うん!」

・・・神楽お手製のおかゆ、一体どんな味がすることやら。

69 名前:前スレ880 投稿日:02/09/19 02:57 ID:???

神楽の家で休ませてもらう彼氏、制服にエプロン姿の神楽は・・・

「今おかゆ作ってあげるから、ちょっと休んでな」
「あ、ありがとう」
「本当につらそうだな、声に全然元気ないし」
「うん、熱っぽいし、だるい・・・」

(しばらくすると、台所からいい匂いが漂ってくる)

「お待たせ!これでも食べて元気出してくれ!!」
「ちょっと・・・起きるのがつらいんだけど・・・」
「えっ、じゃあどうすれば良いんだ?」
「・・・その、膝枕して欲しいなぁ・・・なんて」
「はあっ!?」
「いっ、嫌なら別にいいんだけど・・・」
「(彼氏のそばで正座して)ちょっと恥ずかしいけど・・・いいよ、頭のせて」
「うわぁ・・・神楽の太もも、温かくて、気持ちいい・・・」

70 名前:前スレ880 投稿日:02/09/19 02:58 ID:???
>>69

「仕方ないな、食べさせてあげる。はい、あーんして」
「あーん・・・もぐ、もぐ、もぐ・・・」
「味付けは、どうかな?」
「はあぁ、美味し・・・いっ!?」
「どうした!?」
「かっ、神楽ぁ・・・おまえ・・・」
「やっぱり・・・不味かったのか?」
「塩と砂糖を入れ間違えているだろ」
「えっ!!」
「味付け以前の問題だって・・・まあ、食えなくもないが」
「どっ、どれどれ・・・ぱくっ、もぐ、もぐ・・・」
「韓国の缶ジュースであったな、シッケとか言ったような・・・」

「・・・・・・(無言)」

「神楽、大丈夫か?」

「(涙目で顔真っ赤)ごっ、ごめんなさい!!」

・・・日本でご飯系の甘い食べ物といえば、おはぎでしょうね。

166 名前:前スレ880=69-70 投稿日:02/09/22 05:26 ID:???

進路指導室で集めた大学案内のパンフレットを眺めつつ、昼休みの教室でおしゃべり・・・

「最近の私大って、本当にどこも推薦入試やるんだよな」
「それがどうかしたのか?」
「いや、そこまでしないと学生が集まらないのか、とか思ったりして」
「アタシは推薦の方が良いな」
「神楽の場合、実技とか大会出場経験も評価に入るし」
「だって受験勉強いらないじゃん!」
「あ、あのなー。これだからボンクラーズは・・・」
「はいはい、分かってますよー」
「分かっているのなら・・・話変わるけどさ、友達の進路とか訊いていたりする?」
「んーと、榊は動物のお医者さんになりたいらしいけど、他はどうなのかなぁ」
「榊さんは獣医師か、何だか似合いそうだな。優しい感じがする人だし」
「そーだろそーだろ!アンタもそー思ってくれて嬉しいぜ!!」
「どこかの誰かさんみたいにガサツじゃないしな」
「(彼氏の顔面に右フック)わっ、悪かったな!」
「ごっ、ごめん・・・冗談だってば」
「これでも気にしているんだからな!もっと女らしくなろうと・・・」
「そんな・・・神楽は今のままでもすごく可愛いし、それに・・・」
「アタシが可愛い・・・本当か?」
「本当だって!ガサツっていうのは、その、何ていえば良いのか・・・」
「・・・・・・(無言で彼氏の顔を見る)」

167 名前:前スレ880=69-70 投稿日:02/09/22 05:27 ID:???
>>166

「女らしくなってくれるのは、オレの・・・前だけにして欲しいから」
「(急に顔真っ赤)えっ、そ、その・・・すげー嬉しいよ!マジで嬉しい!!」

(他のクラスメートの羨望の眼差しをよそに、一頻りはしゃぎ回る二人)

「正直いって、神楽が羨ましいよ」
「何でだ?」
「スポーツを続けるんだろ?それで体育大学に行きたいって」
「でも勉強は苦手だぞ。アンタは出来るからどうにでもなるじゃん」
「同じ勉強をするにしても、目標を持っているかどうかで完全に差が出るんだし」
「それでもアンタと比べたら・・・いや、やめておこう」
「・・・マジで迷っているんだ、オレ。何になりたいのか、全く分からない」
「アンタは一流企業のエリート社員になるんだろ?それとも大学の教授とか??」
「なっ、何を・・・」
「そうなると思っているが、違うのか?」
「・・・すごい思い込みだなぁ」
「とにかく、似合っていると思ったからだ」
「まあ、エリート社員はともかく、大学の教授にはなってみたいかも」
「じゃあ決まり。アンタは教授だ!アタシも全力で応援するぜ!!」
「嬉しいけど、あんまりデカイ声で・・・人の話、聞いていますか?」

・・・ここまで書いてくると、彼氏にも萌えてしまいますね。

337 名前:194=290 投稿日:02/09/29 01:21 ID:???

季節の変わり目、秋の長雨。それぞれが繰り広げる、何気ない日常・・・

「・・・今日はランニングは無理っぽいか」
「あっ神楽さん、こんにちわー」
「ちよちゃん」
「急に降り出しましたよね。天気予報では夜遅くから降るって・・・」
「そーなんだよ。これじゃあ練習メニューも変えないといけないし」
「頑張っているんですね。スポーツが得意って、良いなあー」
「そんなことないよ、榊なんかアタシと違って勉強も出来るしな」
「また榊さんと比べて・・・そういえば、神楽さんも受験勉強を始めたんですよね。
例の彼氏さんが嬉しそうに話してくれましたよ」
「えっ、アイツが・・・まあ少しずつだけどな。まだまだこれからだぜ!?」
「継続は力です。今からなら間に合いますよ」

「継続は力・・・美浜さん、良いこというなあ。かーぐーらっ!!」

338 名前:194=290 投稿日:02/09/29 01:22 ID:???
>>337
「あっ!神楽さんの彼氏さん、こんにちわー」
「ちよちゃん、その呼び方は・・・アタシ何だか恥ずかしいよぅ」
「やっぱり東大は難し過ぎるよ。結局、夜中まで授業ノート眺めながら空耳アワー観てたし」
「それじゃあ他の大学のをお貸ししましょうか?」
「この前みたいにマサチューセッツ工科大学とかロンドン大学とかライデン大学とか
薦められても、自分の存在意義を疑ってしまうだけだから」
「大丈夫ですよ、論述問題メインの文系といえば・・・(カバンから過去問を取り出す)」
「・・・ああ、確かに日本の大学だね。でも京都は遠いよ、色んな意味で」
「どこの大学なんだ?」
「お前は見ない方が・・・つーか見るな!死んじゃダメだ!!(神楽の頭を抱えこむ)」
「ひゃっ、何するんだよ!見たら死ぬって意味が分かんねー・・・」
「(ボサボサ髪を優しくかいぐりしながら)ん〜と、そういうことだから・・・ねっ」
「どーいうことなんだよー!?」
「うふふっ、本当に仲が良いんですねー。お二人さん」

339 名前:194=290 投稿日:02/09/29 01:22 ID:???
>>338
「降り止みそうにないなぁ、雨・・・オレ、今日は傘を持ってきてないのに」
「アタシもそーだぜ、しかもランニングが出来ないし」
「黒沢先生に練習メニューを変えてもらったら?」
「それもそうだな、じゃあ自主トレに変更ってことで」
「よし決まった!今日はみんなで勉強だー!!」
「えっ!?それって一体・・・」
「だーかーらー、みんなでやった方がはかどるし、何より楽しいだろ〜」
「そうですよ神楽さん、黒沢先生の許可も貰ってきましたから」
「ちよちゃん・・・」
「美浜さんもそういっているんだし、なっ神楽」
「・・・うん!!」

(放課後の空き教室に集まって、みんなで勉強することに)

340 名前:194=290 投稿日:02/09/29 01:23 ID:???
>>339
「ちよちゃん、マルクスって美味しいんやろか?」
「マルクスは人の名前ですよ、大阪さん」
「パルナスなら知っとるんやけどなー」
「こら智っ、基本公式くらいしっかり覚えろよ。ったくー」
「そんな細かいことばっか気にしてると、また太るぞー!」
「貴様ぁ!そんなに私の再教育を受けたいのか!!」
「ほんならなぁ、階級闘争って放送禁止とどう違うんやろか?」
「大阪さん・・・それはかなり意味が違うと思います」
「あながち違うとは断言できないぞ、美浜さん。神楽がいつも楽しそうに話してくれる、
春日さんの独特な思考回路の意味が分かったような気がする」
「確かにそうかもしれませんが・・・神楽さんの彼氏さん、何だか危ないです」
「ふははは!よみがゴミのよーだっ!!」
「智に男女の区別なーし!今日こそ手加減しないからな!!」
「今こそ富の再分配を!倒錯した社会に鉄槌を!!」
「食らえっ、ともちゃんチョーップ!」
「貴様の動きはすでに見切っておるわ!」
「全世界の民衆よ、今こそ立ち上がるのだ!」
「ちよちゃん、おなかすいてへんか?」

「何がみんなで勉強だよ、全然集中できないぜ。なあ榊」
「みんな、楽しそうだな・・・」
「さ、榊さんまで・・・」
「お前だけが頼りだったのに・・・(ちよちゃんと顔を見合わせる)」

・・・本当に大切なものは、何気ない日常。みんなの喧騒も雨音でかき消されていたよ。

355 名前:337-340=354 投稿日:02/09/30 02:55 ID:???

(前回の続き。バカ騒ぎしていますが、これも勉強ですね)

「よっ、読める!よみの動きが読めるぞっ!!」
「どっちにしろ殺すっ!今日こそ智を褒め殺してくれるわ!!」
「腐ったブルジョワ階級から富と権力を取り戻せ!今こそ銃を構えて闘うのだ!!」
「あかん、もう眠たくなってしもた」

「私もあの輪の中に、入りたいな・・・」

「どうしましょう、神楽さん」
「しばらく放っておこうぜ、それが一番だ」
「・・・そうですね、みんな楽しそうですし」

(外は相変わらずの雨、騒がしい教室に誰かが近づいてくる)

「あんたたち、勉強しているんじゃなかったの?」
「(みんな口々に)・・・黒沢先生、どうも」
「(少し表情を緩める)気にしないで。先生はみんなが元気だったら、それで良いのよ」
「先生すいません、このバカ・・・じゃなくて智の相手していたら、つい」
「バカとは何だ!この天才ともちゃんに対して失礼なっ!!」
「オレも調子に乗っちゃって・・・先生、手に持っているスーパーの袋は?」
「ああ、これね。勉強で頑張っているみんなに、ジュースとお菓子でも・・・」
「お菓子・・・ちょうどおなかすいてるとこやし、はよ食べようやー」
「大阪、お前さっきまで寝ていたんじゃ・・・」
「よみちゃん、それは色気より食い気ってやつやでー」
「大阪さん・・・それはやっぱり意味が違うと思います」
「まあ良いわ、とにかく食べましょう。その代わり、食べ終わったら下校時間まで
ちゃんと勉強すること。いいわね!?」
「(みんな一緒に)は〜いっ!」

356 名前:337-340=354 投稿日:02/09/30 02:56 ID:???
>>355
「ところで先生、ゆかりちゃんは?」
「さあ・・・職員室で寝ているんじゃないの。何か用事でも?」
「英語で分からない問題があるから、ここはやっぱりゆかりちゃんに訊いてみようと」
「なるほどね。でもここにいるメンバーなら、誰か一人くらい分かるんじゃないの?」
「それもそうだな・・・んーと、まず大阪と神楽はボンクラーズだから却下!」
「(気にせずジュースを飲む)ごく、ごく、ごく・・・はー、おなかぽんぽんやー」
「・・・自分のことを棚にあげて、よくいうぜ」
「続いてよみも却下!教え方が全然優しくない!!」
「バカには体で覚えさせないといけないんだよ」
「よって、ちよちゃんか榊に訊くのだ!」
「おいちょっと待て、アイツは入らないのか?(彼氏に指差す神楽)」
「入るわけないだろ!何が嬉しくて神楽専用に訊かなければならないのだ!!」
「あーら、やっぱりそうだったのね。神楽もしっかり青春してるじゃない。先生は嬉しいぞ」
「せっ、先生だって!去年ちよちゃんの別荘に行った時は・・・」
「えっ、ちょっと、その話はもう・・・忘れてー!いわないでー!!いやあぁぁぁ・・・」

357 名前:337-340=354 投稿日:02/09/30 02:57 ID:???
>>356
「榊さん、獣医師になりたいって本当なの?」
「うん、本当だ」
「動物のお医者さんか・・・優しくて、思いやりのある人に診てもらえたら、どんな動物でも
直ぐに元気になるんだろうな」
「・・・・・・(無言で微笑む)」
「それに比べてオレは・・・何の目標もないから、みんなが羨ましいよ」
「そんなことは、ないと思う・・・」
「神楽は大学の教授が似合うっていうけど、実際どうなんだろうか」
「やってみないと分かりませんよ、神楽さんの彼氏さん」
「美浜さん・・・その呼び方は恥ずかしいって」
「ちよちゃんは、留学するんだよね」
「はい、来年からアメリカの大学へ行くことになりました」
「えっ!マジかよ!?とんでもないエリートだな・・・オレには考えられない」
「・・・今は、とにかく頑張ろう」
「そうだな、榊さんありがとう」
「私もみんなのこと、応援していますから!」

・・・何時の間にか雨も降り止んで、夕日が校舎を赤く染める。もう直ぐ下校時間だよ。

471 名前:421=448 投稿日:02/10/06 02:30 ID:???

どこか掴み切れない、受験勉強というプレッシャー。休み時間の二人は・・・

「うーん・・・さっきまで覚えていたのに、思い出せねーぜ・・・」
「どうした神楽?」
「(ノートを見せながら)ここなんだけどさ、板書を写しそびれたんだ」
「どれどれ・・・ああ、宗教阿片論のことか」
「しゅうきょうあへん・・・どういう意味だ?」
「要するに、民衆は宗教か阿片でしか取り除けない痛みや苦しみや矛盾を持っていて、
それを合理的、科学的な啓蒙で否定することは出来ないということ。その痛みは現実に
根ざしているものだから、宗教を批判することは、現実を批判することに・・・」
「・・・ご、ごめん。全然分かんねえよ・・・どうしよう(思わず涙目)」
「(申し訳なさそうな表情で)いや、ややこしいことだし・・・入試問題には出ないと思うけどさ」
「でっ、でも!もしものことがあるから、知っておいた方が良いだろっ!!」
「そりゃあ、そうだけど・・・」
「お願い、アンタだけが頼りなんだから!」
「頼りにされてもなぁ・・・じゃあ、例え話で説明してやるよ」
「うん!」
「例えば、神楽は受験勉強で苦しい思いをしているとする」
「ふむふむ」
「その苦しみを和らげる方法は・・・(おもむろに神楽の肩を抱き寄せる)」
「(少し顔を赤らめて)・・・こういうことなのか?」
「今の神楽が感じていることって、否定なんか出来ないよね」
「否定も何も・・・」
「苦しい思いをする原因は受験勉強だから、その原因を和らげる方法に文句をいうことは、
受験勉強に文句をいうことに取って替わらないといけない・・・」
「・・・・・・(無言でうつむく)」
「いい加減な例えだけど、どうかな?」
「ううっ、胸が、何だかじーんとする・・・嬉しい、ありがとう・・・」

472 名前:421=448 投稿日:02/10/06 02:31 ID:???
>>471
「あっ、神楽専用が二人だけの世界を作っているぞ!よみはどー思う!?」
「放っておけ、何時ものことだ」
「神楽さんの彼氏さん、例え話の意味が違うと思います・・・」
「黙って見とき、ちよちゃんも思春期になったら分かる」
「やっぱり、羨ましいな・・・」

(だるそうな表情を浮かべつつ、自習プリントを持って教室に入る谷崎先生)

「今日は自習、プリントの問題を解くこと。おやすみなさい」
「ゆかりちゃーん!受験勉強に勤しむ高校生の前で寝るとは何事だー!!」
「今さら勉強しても無駄だっつーの・・・まあ、せいぜい頑張ってね〜」
「寝たらダメだぞゆかりちゃん!あそこで神楽とその彼氏が愛と青春の高校生活を
繰り広げている様子を見なければ!!」
「愛ですか・・・神楽とその彼氏・・・何だって?」
「ラブラブなのだー!!」
「そう、ラブラブね・・・(急に大声で叫び出す)だからアタシの頃は女子高だったのよ!!
この前のマラソン大会で青春は十分だろ!!これ見よがしに愛を育むんじゃねーよっ!!」
「その調子だと彼氏が出来ないのも当然だな!ゆかりちゃん!!」

「間違っても、あんな大人にはなるなよ」
「・・・何時までこうしているんだ?」
「(慌てて神楽の肩から手を外す)あっ、ごめん・・・」

・・・やっぱり暴れて頂くのがベストですね、ゆかり先生と智のコンビ。

489 名前:471-472=476 投稿日:02/10/10 05:44 ID:???

間もなく大学受験、クラスのみんなも妙に落ち着かない。そんな時は・・・

「ボンクラーズのおまじない?」
「うん、大阪が考えてくれたんだぜ」
「春日さんが・・・この割り箸で、どうするんだ?」
「箸の先っぽを持って、こうやって・・・(軽い音を立てて綺麗に割れる)」
「・・・それで?」
「それだけ。綺麗に割れたら合格するんだってさ」
「ふーん、じゃあオレも試してみるか。こうするんだよな・・・(鈍い音を立てて折れる)」
「うあっ!どうしよう・・・どうしたら良いんだよぅ(今にも泣きそうな表情で)」
「いや・・・どうしようも何も、所詮おまじないだろ?」
「だって、もしアンタが不合格になったら、アタシなんか・・・全然ダメじゃん!どうしよう!!」
「不合格っていわれても、実際やってみないと分からないし」
「・・・・・・(無言で涙がこぼれる)」
「な、泣くなよっ・・・じゃあこうしよう!今のおまじないの結果は、予想だ!!」
「予想?」
「そうだ、オレも最近は勉強のペースが緩んでいたから、ここでしっかり気合を入れ直さないと
残念な結果になってしまう可能性があるという、おまじないの予想だ」
「なるほど・・・」
「それにさ、ボンクラーズ全員の合計点よりもオレの点数の方が上なんだから、神楽も・・・」
「(彼氏の顔面に右アッパー)それって自慢かよ、どーせアタシはボンクラですよー」
「おまじないより・・・お前の方がよっぽど怖いって」

490 名前:471-472=476 投稿日:02/10/10 05:45 ID:???
>>489
「さっきはごめん、つい手が出ちまって・・・」
「オレもだよ、ちょっといい過ぎだった。ごめん」
「何時もやっちまってから後悔するんだ、自分のガサツさに」
「もう良いって、そんなに落ち込まなくても・・・」
「そうだっ!何処の大学を受けるんだ?教えてくれよっ!!」
「(少し微笑んで)神楽、こっちに寄って」
「・・・また、キスするのか?」
「今はしないって、教えてあげるから・・・(そっと耳元で話す)」
「・・・すべり止めでそこかよ、お見それしました」
「お前だって、スポーツが出来ないと受からないんだろ?・・・マジで凄いと思うよ」
「(彼氏の背中に抱きつく)ありがとうっ!」
「だから神楽ぁ、そんなに・・・押し付けるなよ・・・胸」
「アンタの事、大好きだからっ!」

・・・神頼みも良いけれど、やっぱり最後は自分の力を信じようね。

515 名前:489-491=503 投稿日:02/10/13 07:47 ID:???

誰もいない夕暮れ時の教室で、神楽は大胆にも・・・

「・・・どうだ、少しは気が楽になったか?」
「へへっ、まさかお前がこんな事をしてくれるなんて・・・」
「大阪のおまじないより、こっちの方が良いんだろ」
「ボンクラーズ全員のパワーを受けたら、冗談抜きで浪人になりそうだし」
「(ぎゅっと手を握って)・・・キスだけで、本当に大丈夫か?」
「えっ、それは・・・」
「アンタが・・・そういう事したいんだったら、アタシは別に・・・構わないからっ」
「かっ、神楽ぁ・・・何ていったら良いのか、マジで・・・」
「(両手で彼氏の肩をつかむ)この前さ、アタシが体育大学の入試の前日になって、どうしても
解けない問題があったから、アンタに無理矢理つき合ってもらって・・・嬉しかったんだぜ!
だから、その・・・」
「い、いや・・・あの日はオレも暇だったし、他の大学の問題を解くのも勉強になるから・・・」
「だから今度こそ、アタシがアンタを励ましてあげる番だって思ったんだ!何時も励まして
くれるから、そのお返しに・・・お願いだから、何でも良いからいってくれよぉ!!」
「じゃあ、このまま・・・(神楽の胸に顔を埋める)」
「(涙を潤ませて)うん・・・」

(そして翌日、教室には何時ものメンバーが集う)

516 名前:489-491=503 投稿日:02/10/13 07:48 ID:???
>>515
「神楽さん、どうしたんですか?」
「あっ、ちよちゃん」
「何か心配事でもあるんですか?」
「えっ!?アタシは別に何もないけど」
「そうじゃなくて、ほら(薬指のリングに指を差す)」
「えへっ、ちよちゃんは鋭いなぁ。今日・・・入試なんだ、アイツの第一志望校」
「あっ・・・彼氏さんなら大丈夫ですよ!絶対に合格します!!」
「そーだよな、ちよちゃんがそういうんだから、受かるよな・・・」
「神楽さんも体育大学に合格したんです!今からこれで応援しましょう!!」
「ほな一人百本ずつや、神楽ちゃんも頑張ろうなー」
「大阪・・・って、また割り箸かよ!?」
「神楽さん、私も応援したい・・・」
「さっ、榊・・・」
「水臭いぞ神楽っ!我らがボンクラーズのおまじないに不可能などない!!」
「違う!ボンクラーズだから心配なんだよ!!」
「智、よみ・・・」
「それじゃあ始めるぞ!ザ・ともちゃんショ・・・」
「(智に脳天チョップ)馬鹿野郎!バッドトリップさせる気か!!」
「あのー、ここはやっぱり、神楽さんに始めてもらった方が・・・」
「そうや、神楽ちゃんがみんなに合図せなあかんやん」
「みんな・・・本当にありがとう、それじゃあ・・・」

(神楽の薬指のリングに、みんなの手を重ねて・・・一心に思いを込める)

520 名前:503=515-517 投稿日:02/10/14 03:46 ID:???
>>516
「温かい気持ち・・・これで受からなかったら、絶対に許さないから!」
「本当に羨ましいな、その指輪・・・」
「榊・・・ありがとう」
「私も頑張らないと、マヤーのためにも・・・」
「そうだっ!お前は立派な動物のお医者さんになるんだ!!」
「うん・・・」
「アイツがよく話してくれるんだ!医者の仕事は病気になって困っている人がいたら、病気を治す
お手伝いをする事だって・・・相手が動物でも、同じ事なんだってさ!!」
「それって、ヒポクラテスの『医師の心得』じゃないか・・・」
「何だそれは?」
「神楽さんが話してくれた事は、医師にとって大切な事だ・・・」
「難しい事は分かんねーけど、アイツが嬉しそうに話してくれるんだから、きっと良い事だぜ!」
「うん、良い事だよ・・・」

(放課後になって、神楽のケータイにメール着信が表示される)

「ワレ攻撃ニ成功セリ。コレヨリ基地ニ帰還ス」

「あっ、アイツだ・・・そうか・・・」
「試験は、どうだった・・・」
「(榊にケータイの画面を見せる)変な文章だけど、大丈夫みたいだぜ!」
「おまじないの力が、届いたんだ・・・」
「うん、それに・・・みんなの気持ち、すごく嬉しいぜ・・・」

「はぁ〜疲れた・・・でも、問題は何とか解けたし。これも神楽のおかげだな」

521 名前:503=515-517 投稿日:02/10/14 03:48 ID:???
>>520
「あっ、神楽さんの彼氏さん!お疲れさまでした」
「神楽っ!地獄の戦場からお前専用が帰還したぞ!!」
「地獄なのはお前だ!智!!」

「お疲れさん!メールありがとう」
「(机の上を見て)なあ神楽、この・・・割り箸の山は?」
「おまじないだよ」
「お・・・おまじないって、まさか・・・ボンクラーズのか?」
「そうだ、みんなでアンタの事を応援していたんだぜ!」
「ああ・・・昨日、お前がしてくれたおまじないの効き目が・・・もうダメだ」
「アタシのおまじない・・・何いってるんだよぅ!恥ずかしいじゃないか!!」
「神楽さん、何か勘違いしてませんか・・・」
「そんな事はない、ちよちゃんも大人になったら分かる」
「つまり、神楽専用に捧げちゃったのだー!いやー神楽もついに大人のオンナですか!?」
「何時までも意味の分からん事をいえると思うな!今日こそ貴様に再教育を施してやる!!」
「神楽さんが、捧げた・・・(その場を離れる榊)」

「最近、滝野さんの言動が怖いんだけど・・・お前はどう思う?」
「智の事か?ボンクラーズだから気にするな」
「直感だけは鋭いんだよな・・・まさか!ボンクラって、ニュータイプの事か!?」

・・・彼氏が受験した大学はどこだろう。入試情報に疎いので、想像するのが難しいですね。