- 593 名前:559=572-574 投稿日:02/10/27 00:40 ID:???
ショート萌え氏のSSを参考にしながら、色々と妄想を加えてみました・・・
まだ薄暗い部屋の中、オレは不意に目が覚めた。
ふと見ると、布団を蹴飛ばして寝ている神楽の姿がそこにはある。
「・・・ったく、寝相の悪さは相変わらずだな」
布団をかけ直しながら、幸せそうな表情をたたえた寝顔を眺める。
「人生の荒波は、見るだけ見たよ・・・」
何かを悟ったような雰囲気を漂わせながら、あいつはそういった。
その表情は一見悲しそうに見えたが、同時に満足しているようにも見えた。
だが、複雑な表情を見せるあいつに、オレは戸惑ってしまった。
「結婚、か・・・」
すやすやと寝息を立てる神楽のそばで、これからの生活に思いをはせる。
親父さんのこと、入籍のこと、そして・・・やがて生まれるであろう、子供のこと。
いくつもの大きな問題があったとしても、一つひとつ解決しなければならない。
それが出来なければ、神楽もオレも幸せになれるはずがない。
「神様が・・・楽しい家庭を創りなさいってさ・・・」
そうだ、オレはあいつのことが好きだ。大好きだ。
あいつもそう思ってくれているに違いない。
どんなことがあっても、今までそう思い続けていたんだ。
だから、これからもずっとそうありたい。
- 594 名前:559=572-574 投稿日:02/10/27 00:41 ID:???
- >>593
確かにあいつはガサツかもしれない。
だけど、本当は素直で思いやりのある、優しい女の子。
そういえば「優しさは、強さの裏返し」だったかな?
こんなフレーズ、あいつのことじゃないか。
高校時代もそうだった。
あいつは寡黙そうな榊さんに何かと声をかけていた。
何時もお弁当を一緒に食べていたようだし、楽しそうにしていたっけ。
榊さんが明るく振舞えるようになったのも、あいつのガサツさ・・・
いや、思ったことを直ぐ行動に移す性格に触発されたのかもしれない。
今でもはっきり憶えている。
持っている全ての勇気を出して、あいつに告白した日のこと。
それは、余りにも予想外の結果だったから・・・
驚くなかれ、オレたちは両思いだったのだ。
暫く考え込んでいるうちに、外は少し明るくなっていた。
「これからも、よろしくな・・・」
寝ぐせのついた髪を優しくなでて、柔らかい頬にそっとキスをする。
ほんの一瞬、神楽の表情が微笑んだように見えた。
・・・フレーズの引用元は『倖せのかたち〜send my heart』より。好きな曲です。
- 603 名前:ショート萌え 投稿日:02/10/28 00:38 ID:???
- >>595
君にキスをされた神楽は、ニパァァっとした幸福そうな笑顔を
したかと思うと・・・
【神楽】「・・・む・・・胸は関係ないだろっ!!!!!!!!・・・」
【君】 「!!!!!!!・・・・・」
頬擦りしてたので耳元で寝言炸裂!! 君の耳がキーーーン。
【神楽】「むにゃむにゃ・・・じゃ榊の胸はどうなんだよぉ、智?
・・・????? あれ・・・パジャマ・・・。」
【君】 「・・・おはよう。」
【神楽】「・・・あれ?此処は?」
【君】
「おはよう・・・良い夢見てたかい?」
【神楽】「・・・あ・・・そうか・・・うんうん・・・アタシは
昨日・・・高校卒業したんだもんな・・・むにゃむにゃ。」
【君】 「おーーーい、10年以上前だぞ〜〜〜〜。」
【神楽】「うんうん・・・ああいうネコは叩いて解らせないとな・・・」
ばたん・・・すー すー すー。
ここまで寝ぼけた神楽を君は初めて見たよ。
- 604 名前:ショート萌え 投稿日:02/10/28 00:39 ID:???
- 続き!!
そう・・・君のアパートに来てから間もなく、神楽は睡眠導入薬を
飲むのを止めた。
【神楽】「安全だって先生は言ってたけどな・・・でも@@とアタシの
未来の命のために・・・な。」
【君】
「無理しなくて良いんだぞ。神楽が眠れないなんて、そんな
普通の事じゃないんだからな。」
【神楽】「そうさ・・・でもな・・・。」
【君】 「・・・でも?」
【神楽】「眠るのが怖かったんだ・・・闇の中に沈んでゆくのも・・・
闇の中に目を覚ますのも・・・こんなに怖いって知らなかった。」
【君】 「だから灯りを付けたままじゃなきゃ寝られなかったんだもんな。」
【神楽】「でも・・・今は手を伸ばせば@@が居る・・・。」
【君】 「そんな・・・こんなに頼りないのに?」
【神楽】「頼りないなんて言うなよぉ〜。アタシは眠剤無しで寝られる
くらい頼りがいがあるんだぜ。」
【君】
「・・・喜んで良いのか悪いのか・・・判らないね。」
【神楽】「それに・・・もったいないよ。」
【君】 「何が?」
【神楽】「今は1分でも起きていたいよ・・・@@を見ていたいし
話もしていたい・・・寝るのがもったいないよ。」
- 605 名前:ショート萌え 投稿日:02/10/28 00:40 ID:???
- 続き!!
すー すー すー 。
神楽は幸福そうな顔をして眠っているよ。
ブォォォン・・・かたん・・・かっかっかっ・・・ぱたん・・・。
朝刊が届いたみたい。
ぴ・・・ごとごと・・・。
炊飯器の予約タイマーが入って、炊飯が始まった音がしたよ。
何もかもが・・・幸せな・・・普通の朝に向かって進んでいる。
君は・・・此処に辿り着くまでに駆け抜けて・・・そして置いて
来た全てのものたちを思って・・・少し泣いたよ。
ねぇ君たち・・・君たちは・・・今どうしてる?
僕?・・・僕は幸せだよ・・・ほら・・・彼女の寝顔のように。
すー
すー すー ・・・・・にこにこにこ・・・
幸福な顔をして眠っていた神楽が・・・また笑ったよ。
・・・そして・・・数時間後。
【君】 「神楽・・・もう朝だよ・・・」
まるで咲くように静かに、そしてしっとりと開いた神楽の目は、
花のように可憐な眼差しで君を見ていたよ。
end!!