- 426 名前:涙のダイエット少女 ◆vEOwCmqs
投稿日:2002/12/27(金) 15:40 ID:???
- そんでもって真冬でXmasだってのに、真夏の浴衣に思いを馳せておりました。
じりじりと昇っていく太陽がアスファルトの温度を急速に上げていく。
まだまだ残暑が続きそう。今朝もいつもの角に隠れてともを待ちながら太陽を見上げた。
あの3つ先の角からともが出てきたら、私はダッシュでランデブーポイントに先回りする。
まったく…時間にルーズな相方を持つと苦労するよ。
そして、私が息を整えてそしらぬ振りで歩いていると、
ともは背後から軽やかな足音とともに小走りでやってきた。
「おひゃー、今日もあちーねー」
「おはよう、走ってきたのか。また寝坊か」
わざと顔を合わさずに受け答える。
「いやー、なんか毎晩暑くて寝苦しくない?なんていうの地球温暖化ってヤツ」
そんなともの言い訳に呆れた様にうつむいて歩くつもりが、自然とシンクロする二人の歩調につい顔がにやけてしまう。
「確かに残暑続くよなぁ。あ、そういえば、今週末って花火大会だっけ」
電信柱に貼られている「花火大会」のビラに今まで気付かなかった振りをして話題を変える。
「そうそう、楽しみだよなぁ、夜店〜。綿飴、りんご飴、金魚すくい〜」
ともはかばんを振り回しながら子供みたいに瞳を輝かせる。
「ともは合宿のときの浴衣、また着るんだろう?」
ちよちゃんちの別荘で見たともの浴衣の柄を思い出す。
「でもなー、着方分かんないしなぁ。どうしよう」
二人で浴衣で並んで歩く様を想像する。うわぁ、どきどきしてきた。
「私が着せてやろうか?」
そうだ、折角だからともの髪をアップにして結ってやろう。
そうすれば並んで歩いたときにたっぷり観察できるし、きっとともは綿飴か何かに夢中になって
こっちが見ている事には気付かないだろう。
そして、乱れた襟元を直してやりながら………ともの鎖骨を…。ひゃああー。
「やっぱいいや」
へ?
- 427 名前:涙のダイエット少女 ◆vEOwCmqs
投稿日:2002/12/27(金) 15:41 ID:???
- 思わず足を止めてガクっとずっこけるところだった。
なんだよなんだよ。こんな時にのってこないなんて珍しいな。
「遠慮するなよ、折角覚えたんだ。着せてやるから着物持ってウチに来いって」
「………折角?」
しまった。
「いいから、お前も着るんだよ」
「あー、お前またヘンなこと考えてるだろー」
「へ、ヘンなことって、バっ」
ヘンなこと………ヘンなことってお互いの浴衣を脱がせあったり、脱ぎ散らかした浴衣の上で…とか?
「まったく…よみはしょうがないなぁ」
そんないじわるなともの声が、浴衣の上に押し倒された私に馬乗りになったハダカのともの妄想とかぶる。
…かあっと音がしそうなほど顔が赤くなる。
「しょ、しょうがないって、しょうがないってなんだよ、お前だって勘繰り過ぎだ、バカ。自意識過剰!」
「え…。」
突然ともは輝かせていた瞳を伏せる。
あ、あ、しょげちゃった。ちょっと言い過ぎたかな。もー、私のバカバカ。
「………。」
こんなときに素直に謝る言葉が出てこない私って…。
ともは今にも泣き出しそうなくらい凹んだ表情で
「ごめん………ヘンな事考えてるのは私の方、か………」
うつむいた瞳に涙を浮かべる。
かっ、かわいい。かわいいぞ、このバカ娘。
衝動的にともの肩を掴むと強引に私の方を向かせ、逃げられないように両肩を押さえる。
びっくりしたともが正気を取り戻す前に肩を引き寄せて…ちゅ。
それから、ちょっと長いかなと思えるくらいじっと唇をあわせてから、ささやく様に
「…ごめんな、本当は私も考えてたんだ」
とフォローしてから身体を離す。
ふぅ、ごちそうさま。
そして、まんまるな目をして自分の唇に起こった事を指先で確認しているともの、空いてる方の手を引いてまた二人で歩き出した。